Excelの構成は「ブック(Book)」が一つの単位です。
その中に一つまたは複数の「シート(Sheet)」があります。
そしてそのシートにはセルが縦横に集まっています。
【参考】一つのシートの行数 1,048,576行・列数 16,384列
セルの一つ一つに「セル番地」が定められています。
この「セル番地」は、Excelマクロを組む際に重要なポイントになる一つです。
「ココのセルの数字と、アソコのセルの数字の合計を、下のソチラのセルに書いてください」
と言われてもコンピュータは理解できません。
「セル番地」については、しっかり理解しておくことが重要です。
セル番地の指定方法
セルの数は非常に多いので、行と列それぞれに番号が割り当てられています。
行は、上から下に向かって「 1 2 3 4 ~」と数字で表示されています。
列は 左から右に「A B C D ~」とアルファベットで表されています。
列の場合は、同時に左から「1 2 3 4 ~」とも割りふられているのです。
マクロを書く時、セルを指定する方法としては「Range」と「Cells」の2通りの方法があります。
どちらを使用しても構いません。
両者をミックスして使用しても問題ありません。
ただそれぞれでセルの指定方法が異なります。
Range の使い方
Range( ”列 行”) の並びです。
Range(“E3”) のように「 ” (ダブルクオーテーション)」で囲みます。
※ 「”」で囲んでないとエラーとなるので注意してください。
表のような範囲を指定する場合は、左上セルと右下セルで指定します。
Range(“D5:G12”) のように書きます。
その際 二つのセルの間には「 : (コロン)」が必要です。
※ 「:」がないとエラーとなるので注意してください。
各セルの指定 および セルの範囲指定は下記を参照してください。
次に開設する「Cells」と一緒に書いてあります。

Cells の使い方
Cells(行 , 列)の並びになります。
Rangeと逆です。
行と列の間は , (コンマ) を入れます。
Cells(3,5) のように書きます。
表のような範囲を指定する場合は、ちょっと複雑そうに見えますよね。
表の場合は Range(“D5:G12”) のように書く方が簡単です。
Cells の便利なところは「For ~ Next」など「変数」を使って使用できることです。
For i = 5 to 12
Kingaku = Cells( i , 8 )
Total = Total + Kingaku
Next I
※ For ~ Next 文は後述します。ここでわからなくてかまいません。
ただCellsを使用する場合、アルファベットが何番なのか後ろに行くほどわかりにくいという欠点があります。そのため私は下記のカンニングペーパーを机に置いています。

Excel画面上の列に表示される 「 A B C ~」を次の通り、数字に変えることもできます。
Excelを開き
左上「ファイル」タブをクリック
(左にグリーンの枠が出ます)
グリーン枠の最下段にある「オプション」をクリック
「Excelのオプション」が開く
左の「数式」タブをクリック
右枠の中ほどに「数式の処理」
□ R1C1 参照形式を使用する(R)
☑が入れば数字
☑をはずせばアルファベット

チェックを「入れる・入れない」いずれかの処理をした後、右下のOKをクリックして終了
これで列表示が変更されます。
☑を入れた場合、このように列が数字で表記されます。

本来の「A B C ~」に戻したければ、上記の手順で「数式の処理」画面で☑を外してください。
これはあくまで好みの問題です。
私は「A B C ~」のままにしています。
Cells を使うときは先ほど言いましたカンニングペーパーを愛用(笑)しています。
※ 別の記載方法として Cells( 3 , “E”) のように記載することもできます。
Range と Cells どちらを使用したら・・
セル一つの場合は Range の方が使いやすいです。
表のような範囲指定する場合も、Range の方が使いやすいです。
ただこれからマクロを組むようになると、Cells の便利さも感覚的にわかるようになると思います。
結論的には、両方使えるように慣れ親しむことがベストです。
Excel はセルがメインの道具です。
Range , Cells はともに必要かつ大事です。
使い込んでください。
行と列の順番も最初は迷うかもしれませんが、何度も使い込めばすぐに体が覚えます。
まとめ
セルの指定方法には「Range」と「Cells」の2通りがあります。
Range( “列 行”) の順番 かつ ダブルクオーテーションで囲みます。
Cells( 行 , 列) の順番で行と列の間に「, ( コンマ 」を入れます。
両者は使う状況によってその使いやすさが異なります。
よって、どちらも使えるように普段から状況に合わせて使うようにしておくことが大切です。

