ユーザーフォームで入力されたデータをExcelシートに書き込む作業、つまりデータの受け渡しについて解説します。
ユーザーフォームは全回の 01 と 02 でつくった「会員登録」使います。
既に各コントロールは配置され、オブジェクト名も下図のようになっているはずです。

まずExcelの「会員名簿」は次の通りです。
またこのシート名は「会員名簿」となっています。

各プロシージャの作成と動きの確認
まず標準モジュールの Moduel1 を開いてこのVBEに下記のプロシジャを書き入れます。
Sub 会員登録処理()
UserForm1.Show
End Sub
これは「UserForm1」が開くマクロです。
これを「会員登録ボタン」にリンクさせます。
この方法は「マクロ実行用ボタンの作成」を参照してください。
「会員登録」のボタンを押してください。
「会員登録」のユーザーフォームが開きます。
ただまだこのフォームのマクロはできていませんので、とりあえずこのフォームの右上の×で閉じてください。
Altキー + F11で「標準モジュール」を開きます。
それで左上の「フォーム」の UserForm1 をダブルクリックします。

会員名簿のコントロールを配置した画面が開きます。
ここのコントロール以外の点々になっているところ(どこでもOK)をダブルクリックしてください。
UserForm1 のVBE画面が表示されます。
ここに次の計5つのプロシージャを書き入れます。
ココでは 「Private Sub ~」となっているプロシージャがありますが、普通に「Sub ~」と入力してください。
今はまだ気にしなくて大丈夫です。
Option Explicit より下にこのままコピペしても大丈夫です。
‘ ①UserForm1 が最初に開かれた時の処理
Private Sub UserForm_Activate()
AllClear
T1.SetFocus
End Sub
‘ ②-1 OP1が押されたら「登録」ボタンが有効になる
Private Sub op1_Click()
cmd1.Enabled = True
End Sub
‘ ②-2 OP2が押されたら「登録」ボタンが有効になる
Private Sub op2_Click()
cmd1.Enabled = True
End Sub
‘ ②-3 OP3が押されたら「登録」ボタンが有効になる
Private Sub op3_Click()
cmd1.Enabled = True
End Sub
‘ ③「登録」ボタンが押された時の処理
Private Sub cmd1_Click()
Dim 会員区分 As String
Dim LG As Long
If op1.Value = True Then
会員区分 = “正会員”
ElseIf op2.Value = True Then
会員区分 = “賛助会員”
ElseIf op3.Value = True Then
会員区分 = “一般会員”
End If
LG = Worksheets(“会員名簿”). _
Range(“B4”).End(xlDown).Row
LG = LG + 1
With Worksheets(“会員名簿”)
.Cells(LG, 2) = T1
.Cells(LG, 3) = T2
.Cells(LG, 4) = T3
.Cells(LG, 5) = T4
.Cells(LG, 6) = T5
.Cells(LG, 7) = 会員区分
End With
AllClear
End Sub
‘ ⑤「クリア」ボタンが押された時の処理
Private Sub cmd2_Click()
AllClear
T1.SetFocus
End Sub
‘ ⑥「終了」ボタンが押された時の処理
Private Sub cmd3_Click()
UserForm1.Hide
End Sub
ここまで出来ましたら、一旦右上のxボタンでこのVBEを閉じてください。
Excelの「会員名簿」シートが開かれます。
ここで「会員登録」ボタンを押してください。
ユーザーフォーム画面が開かれます。
ここで自由に年月日、氏名等を入力してみてください。
途中でやり直したい場合は「クリア」ボタンを押せば、再入力できます。
入力が終われば「登録」ボタンを押してください。
「会員名簿」に今入力してデータが入っています。
そのまま二人目、三人目と入力しても構いませんし、終了ボタンを押せば、ユーザーフォーム画面が閉じます。
まずはここまで一応の動きを確認してください。
各プロシージャについて
①UserForm1 が最初に開かれた時の処理
最初にこの UserForm1 が開かれたと同時に、④の AllClear のプロシージャが実行されます。
テキストボックスとオプションボタンをすべてクリア(リセット)します。
また、データが未入力の場合は、空データが登録されるのを防ぐためにcmd1(「登録」ボタン)を使用不可にします。
②-1・2・3
オプションボタンのいづれかが押されたら、cmd1(「登録」ボタン)を使用可能にします。
③「登録」ボタンが押された時の処理です。
シート「会員名簿」にユーザーシートの入力データが記録保存される内容です。
オプション1~3のどれが選択されたか(True)で、会員区分を決定します。
LGは会員名簿の最終の行番号を調べ、それに1を足した行に
ユーザーシートのデータを書き入れます。
※ 入力済セルの最終行番号については「入力済セルの最終行 End」を参照してください。
全て「会員名簿」にデータを書き入れた段階で、ユーザーシートを ④AllClear します。
④ 上記の通り、各コントロールをリセットします。
⑤ 「クリア」ボタンが押されたら、④AllClear を実行します。
⑥「終了」ボタンが押されたら、UserForm1 を閉じます。

